○日本の衆院選挙で民主党が大勝し、政権が交代することになった。台湾の人たちも、この日本の政局の変化には大いに関心を持っているらしい。台湾を研究テーマとしている友人の研究者が台湾に来たところ、ちょうどこの日本での選挙結果が判明し、訪問先では日本の政局についての意見交換が話題の中心になってしまったそうだ。せっかくわざわざ台湾まで調査に来たのだが、肝心の自分たちの調査より日本の選挙で時間を割かれてしまったという。
○台湾当局は公式見解として、日本の政権交代後も、台湾と日本の関係に変化はないとの声明を発表しているが、そんなはずはないだろう。具体的な台湾・中国に対する外交政策を持たないであろう民主党が政権を獲得したからには、台湾は対日外交を根本的に再検討しなければならないはずだ。何せこれまで台湾が頼りにしてきた自民党中心の「日華議員懇談会」は、選挙前はメンバーが300人だったが、選挙後は142人に減ってしまったのだそうだ。新しメンバーが入るとしても、見知らぬ人たちが多いからそれとどのように関係を築いていくのか。
○馬英九総統は日本を訪問した時、これまで2回にわたって鳩山・民主党代表と面会している。1回目は台北市長兼国民党主席だった2006年7月、2回目は総統候補だった2007年11月。しかし、2回会っただけで何とかなるものだろうか。民主党の鳩山代表が親中国派と見られているだけに、台湾としては対日外交の難しさが増すことは避けられない。政治の世界はどう変わるか分からないから、与党だけでなく野党とも付き合っておくことが必要だ。逆に日本としても、台湾の野党を理解することは必要なはずだ。台湾1996年の初の総統選挙以来、2回の政権交代を経験している。しかし、それまでの慣れた付き合いは楽なためか、新しい勢力に対する理解を進めようという動きは少なかったように感じる。台湾も日本もお互い様である。
○台北デフリンピックがあす(5日)開幕する。聴覚障害者のためのスポーツ大会で、オリンピックと同様、4年に1回開催される。今回のデフリンピックはアジアで初めての開催で、日本を含む80の国・地域から総勢2600人余りの選手が参加する予定。すでに到着した外国選手が、台北市内の観光地を見学しているのを見掛ける。ただ、7月に開催された高雄ワールドゲームズに比べて、開催直前のこの時期にも盛り上がりがないのが気になる。台北市の宣伝はかなりお金を掛けているように見えるが、どうも的を射てはいないようで市民の反応は鈍い。台湾の人たちが台風8号水害で大きなショックを受け、また新型インフルエンザの感染拡大で戦々恐々としている中での開催は、運も悪いといわざるを得ない。
○しかし、高雄ワールドゲームズも開幕までは高雄市民の関心も低く、日を追うごとに人気が高まり、高雄市民が支持する中で最後は大盛況に終わった。感動の中で幕を下ろしたのだ。台北でも開幕すれば注目が高まるのかもしれない。デフリンピックの盛り上がりの鈍さを感じているある台北市民は、高雄のように始まれば盛り上がるのではとの質問に、「台北人は高雄人に比べて冷たいから」と悲観的な意見だった。民進党が市長を務める高雄でのワールドゲームズに比べて、国民党市長の台北市は、馬英九政権の力の入れ方が明らかに違っていると台北市民も感じている。台風8号以来、その国民党の馬英九政権の声望が大きく低下する中での開催という点も、タイミングとしては悪い。さてデフリンピック。台北市民がどこまで盛り上げるだろうか。
○ここ数日、天気が不安定である。急に激しい雨が降ったり、太陽が出ているのに雨が降ったりしている突然の雨にとっさの反応ができず、びしょ濡れになったことが何度も。(早)