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 特集

            台湾の国民所得統計

 国内経済情勢の展望

             行政院主計処20091126

経済情勢概要】

2009年第1四半期の経済成長率(yoy)はマイナス9.06%に修正。第2四半期はマイナス6.85%に修正。初歩統計によると第3四半期の経済成長率はマイナス1.29%、第4四半期はプラス6.89%、通年ではマイナス2.53%、消費者物価指数(CPI)は0.73%低下と予測される。2010年の経済成長率はプラス4.39%、うち第1四半期は8.96%、第2四半期は5.16%、第3四半期は3.23%、第4四半期は1.02%、消費者物価指数は0.92%上昇と予測される。

 

2009年から2010年にかけての国民所得統計・予測

(1)第3四半期

  初歩統計によると第3四半期の経済成長率はマイナス1.29%。

 

1.外需

 中国など新興経済体で景気回復力が強まっていることから、輸出の成長率は台湾元計算で第1四半期のマイナス32.32%、第2四半期のマイナス25.78%から、第3四半期はマイナス16.08%へと減少幅が縮小した。またサービス貿易では三角貿易での粗利率が上昇し、中国人観光客が増えて観光収入が増加したことから、サービス貿易を加えて物価要素を除いた場合、輸出成長率はマイナス8.52%となる。輸出がマイナス成長となっていることから、輸入もマイナス12.61%だった。

 

2.内需

 景気の回復に伴って各項目の消費指標も大幅に好転している。そのうち小売業の売上高は3.35%増加。新車販売台数は貨物税優遇政策に刺激されて58.78%増加。ガソリン、ディーゼル油の販売量8.18%増加。株式取引高39.01%増加。家庭用電気使用量6.61%増加。出国者数は0.90%減少に下げ止まった(第1四半期8.97%減少、第2四半期13.80%減少)

 

こうしたことから、民間消費は第2四半期のマイナス0.61%から、第3四半期はプラス2.21%に転じ、4四半期連続のマイナスがストップした。

 

民間投資は、製造業の生産が回復し、設備稼働率が上昇し、資金に余裕が生まれていることから、企業の投資が次第に回復している。第3四半期は台湾元計算で資本設備輸入額は12.66%減少だったが、第1四半期の39.45%減少、第2四半期の34.58%減少に比べて改善されている。台湾の製造業の投資財生産の減少幅は19.25%に縮小(第1四半期は35.46%減少、第2四半期は28.95%減少)。民間投資はマイナス13.31(第1四半期はマイナス35.53%、第2四半期はマイナス30.75)

 

公共支出は、政府消費の執行が予定よりやや早く、実質成長が3.64%だった。そのうち政府投資は拡大公共建設計画と水害復旧特別予算計画などが積極的に執行されているため、25.95%増加だった。公営事業の投資は8.37%増加。

 

3.生産

 第3四半期は農業が台風8号水害で5.91%減少だった。工業は4.39%減少。そのうち製造業は消費性電子製品の需要が回復し、一部の企業が在庫補充を進め、輸出受注が回復の兆候を示したものの、第3四半期は依然として7.92%減少となった。このため製造業生産は5.37%減少し、三角貿易の2.48%増加を加えても、全体で4.76%減少となった。

 

サービス業は、世界景気が次第に回復していることから貿易需要が増加しており、卸売り業の売上高は2.89%減少にとどまった(第1四半期は17.09%減少、第2四半期は11.18%減少)。小売業の売上高は自動車の貨物税優遇政策およびオンライン・テレビショッピングなどを通じた消費行動の流行によって、3.35%増加した。卸売り・小売り業を合わせると0.82%増加だった。

 

金融・保険業は、株式市場が活況を見せ、海外ファンド販売が大幅成長したが、預金残高の減少が続き、利ざやが縮小したことから、実質で3.78%減少となった。

サービス業全体では0.91%減少となった。

  

(2)第4四半期および来年の予測

  第4四半期はプラス6.89%、通年ではマイナス2.53%と予測される。2010年の経済成長率はプラス4.39%と予測される。1人当たり平均GNP(国民総生産)は1万6914ドル。来年は中成長を回復し、経済成長率は4.39%、1人当たり平均GNPは1万7936ドルと予測される。

 

                     <各国・地域の経済成長率>               単位:%

世界

アメリカ

ユーロ圏

日本

中国

香港

台湾

シンガポール

韓国

マレーシア

タイ

フィリピン

2003(r)

2.7

2.5

1.3

1.4

10.0

3.0

3.67

3.8

2.8

5.8

7.1

4.9

2004(r)

3.9

3.6

2.5

2.7

10.1

8.5

6.19

9.3

4.6

6.8

6.3

6.4

2005(r)

3.5

3.1

2.0

1.9

10.4

7.1

4.70

7.3

4.0

5.3

4.6

5.0

2006(r)

4.1

2.7

3.2

2.0

11.6

7.0

5.44

8.4

5.2

5.8

5.1

5.3

2007(r)

4.0

2.1

2.9

2.3

13.0

6.4

5.98

7.8

5.1

6.2

4.9

7.1

2008(r)

1.9

0.4

0.8

-0.7

9.0

2.4

0.73

1.1

2.2

4.6

2.5

3.8

2009(f)

-2.0

-2.5

-4.0

-5.3

8.5

-2.5

-2.53

-2.1

0.1

-2.2

-3.0

1.4

2010(f)

2.8

2.2

0.9

1.4

9.8

4.2

4.39

4.7

4.1

5.1

5.2

3.5

資料:2008年以前は各国の政府発表。それ以外は米グローバル・インサイト社(Global Insight Inc.)の2009年11月の最新データ。台湾のデータは行政院主計処発表のもの。

※(p)は初歩的な統計数、(f)は予測値、(r)は修正値を表わす

  

1.貿易

国際景気が次第に回復しているため、輸出は月ごとに増加する傾向を示している。比較の対象となる昨年の水準が低かったため、第4四半期はプラス成長に転じる見込み。

 

輸入は輸出に伴って増加しており、さらに内需が活発化していることから、第4四半期は成長に転じると見られる。商品とサービス貿易を合わせて物価要素を差し引くと、2009年の輸出は10.34%減少、輸入は14.42%減少、貿易黒字は332億ドルと予測される。

 

2010年は国際経済の環境が引き続き好転し、企業の貿易拡大に有利となる。ただ、「ASEAN+中国」「ASEAN+日本」「ASEAN+3」などの自由貿易協定が相次いで成立し、経済・貿易上で競争が厳しくなることが予想される。しかし中国との経済・貿易関係がますます緊密化、頻繁化することから、海外大手メーカーからの代理生産受託が増加することが期待でき、台湾の貿易の成長力が維持される。ただし、輸出・輸入額は金融危機以前の水準を回復することはできない。輸出成長率は9.49%、輸入成長率は10.88%、貿易黒字は332億ドルと予測される。

  

 

税関商品貿易年増率

(ドル計算、%)

税関商品貿易黒字金額

商品・サービス貿易実質成長率

(台湾元で計算、%)

商品・サービス

貿易黒字

 

輸出

輸入

(億ドル)

輸出

輸入

(億ドル)

2003(r)

11.29

13.04

226

10.23

7.68

218

2004(r)

21.10

31.83

136

15.40

17.50

125

2005(r)

8.81

8.21

158

7.78

3.16

161

2006(r)

12.89

11.00

213

11.41

4.57

230

2007(r)

10.12

8.17

274

9.55

2.98

313

2008(r)

3.63

9.67

152

0.56

-3.12

199

2009(f)

-20.33

-27.74

299

-10.34

-14.42

332

2010(f)

15.36

18.06

298

9.49

10.88

332

説明:(p)は初歩的な統計数、(f)は予測値、(r)は修正値を表わす

  

2.民間消費

台湾の株式市場で株価が再上昇していることから、市民の財産が増加している。また自動車の貨物税優遇政策の期間終了が近付いていることから、新車の販売台数が大幅に成長している。このため消費市場には、すでに年初のように悲観的な雰囲気はない。第4四半期の民間消費は3.86%増加、通年で0.86%増加と予想される。そのうち食品の消費は1.49%増加、非食品は0.77%増加。

 

2010年は内外情勢が好転するのに伴って、市民の消費意欲が向上する。ただし、失業率の低下に幅が限度があり、所得成長が遅いため、消費意欲を抑制する。民間消費は1.77%の緩やかな成長となると予測される。

  

 

 

民 間 消 費 実 質 成 長 率 ()

 

 

食品消費

非食品消費

2003(r)

2.91

3.70

2.80

2004(r)

5.17

1.54

5.70

2005(r)

2.90

1.21

3.13

2006(r)

1.49

3.20

1.26

2007(r)

2.08

0.67

2.28

2008(r)

-0.57

-1.04

-0.51

2009(f)

0.86

1.49

0.77

2010(f)

1.77

1.14

1.86

説明:(p)は初歩的な統計数、(f)は予測値、(r)は修正値を表わす

 

3.固定投資

輸出の回復に伴って、企業の設備稼働率も上昇しており、一部では供給が間に合わない状況も発生している。世界的な景気回復、電子製品の新製品発売のペース加速、国最大手からの委託生産要求への対応の必要などから、ハイテク企業は積極的に製造プロセスのレベルアップを進めており、新たな生産整備拡張のブームを迎えている。10月の資本設備輸入はドル計算で第1~3四半期の大幅衰退局面を脱却し、12.28%の増加に転じた。

 

将来を展望すると、この投資の活況は継続すると考えられ、第4四半期の固定投資し8.94%増加、明年は6.85%増加となる見込み。公共部門については、経済振興のために拡大公共建設計画が引き続いて進められるため、今年、政府の固定投資は23.64%増加、来年は比較の対象となる今年の水準が高いことから3.65%減少となる見込み。公営事業の固定投資は拡大が維持される見込みで、今年は1.22%増加、来年は4.44%増加。

 

民間、政府、公営事業を合わせると、今年の固定投資は11.43%減少、来年は4.43%増加と予測される。

  

 

固定投資実質成長率(%)

 

民間(%)

政府(%)

公営事業(%)

2003(r)

-0.11

 1.93

-4.47

-4.70

2004(r)

13.96

25.62

-9.59

-20.60

2005(r)

2.66

1.53

2.82

14.77

2006(r)

0.07

3.31

-11.21

-8.61

2007(r)

0.55

1.36

-4.46

1.57

2008(r)

-11.17

-13.78

-0.39

-2.38

2009(f)

-11.43

-19.56

23.64

1.22

2010(f)

4.43

6.85

-3.65

4.44

説明:(p)は初歩的な統計数、(f)は予測値、(r)は修正値を表わす

 

4.物価

最近、国際原油価格および一部の農工業原料価格が上昇を続けている。ただし、昨年同期の高水準に比べると低く、通年で卸売物価指数(WPI)は8.84%低下となる見込み (第4四半期の下げ幅は0.47%に縮小する見込み)

 

来年は世界の景気回復によって、農工業原料の相場は上昇傾向を示すことが予想される。このためWPI3.74%上昇となる見込み。消費者物価指数(CPI)は、今年8月の台風8号水害で深刻な被害を受けたことから、野菜、果物、肉類の価格が上昇したが、生産が次第に回復し、価格も次第に低下している。さらに家賃などサービス類の価格が安定し、市場競争が行われるため、通年でCPI0.73%低下する見込み。来年は0.92%上昇の温和な上昇となる見込み。

  

2006年産業関連統計】

 

1.2006年の台湾での貨品・サービスの総供給額は361317億元。そのうち国内生産は79.0%、輸入は21.0%、総需要は総供給と等しく、そのうち中間需要は45.9%、最終需要(消費・投資)は31.1%、輸出は23.0%。前回調査の2001年と比較した場合、総供給に占める輸入の比率が上昇している。総需要に占める輸出の比率が上昇し、内需の比率が低下している。

 

   単位:%

 

総供給

総需要

国内生産総額

輸入

中間需要

国内最終需要

輸出

2001

82.2

17.8

43.0

36.5

20.5

2006

79.0

21.0

45.9

31.1

23.0

 

 

.サービス業付加価値の比重が上昇。2006年の全産業付加価値は119765億元。そのうち農業は1.7%、工業は27.8%で、比重は2001年よりやや低下している。これに対してサービス業は70.5%と、2001年に比べて0.4ポイント上昇した。

 

単位:%

 

合計

農業

工業

サービス業

2001

100.0

2.0

27.9

70.1

2006

100.0

1.7

27.8

70.5

 

3.消費、投資、輸出の輸入需要係数が上昇。2006年の1単位当たりの消費が直接、間接に生み出す付加価値は(付加価値衍生係数)は0.76単位。投資は0.46単位、輸出0.51単位。

 

2006年の1単位当たりの消費が直接、間接に導く輸入(輸入衍生係数)は0.24単位。輸入設備と原材料の需求が旺盛なことから、輸入衍生係数は投資が0.54単位、輸出は0.49単位といずれも上昇している。

 

 

付加価値衍生係数

輸入需求係数

 

合計

消費

投資

輸出

合計

消費

投資

輸出

2001

0.69

0.78

0.50

0.63

0.31

0.22

0.50

0.37

2006

0.61

0.76

0.46

0.51

0.39

0.24

0.54

0.49

 

 

 

実質GDP

100万元)

経済成長率()

平均1人当たりのGNP(国民総生産)

平均1人当たりのGDP(国内総生産)

消費者物価指数の年増率

(%)

卸売物価指数の年増率

()

台湾元

ドル

台湾元

ドル

1996(r)

7,953,510

5.54

373,836

13,614

368,729

13,428

3.07

-1.00

1997(r)

8,389,017

5.48

400,497

13,955

396,355

13,810

0.90

-0.46

1998(r)

8,679,815

3.47

424,659

12,692

421,519

12,598

1.68

0.60

1999(r)

9,198,098

5.97

442,497

13,712

438,384

13,585

0.18

-4.55

2000(r)

9,731,208

5.80

465,502

14,906

459,212

14,704

1.25

1.83

2001(r)

9,570,584

-1.65

453,084

13,401

444,489

13,147

-0.01

-1.35

2002(r)

10,074,337

5.26

474,294

13,716

463,498

13,404

-0.20

0.05

2003(r)

10,443,993

3.67

488,645

14,197

474,069

13,773

-0.28

2.48

2004(r)

11,090,474

6.19

518,280

15,503

501,849

15,012

1.61

7.03

2005(r)

11,612,093

4.70

529,313

16,449

516,516

16,051

2.31

0.62

2006(r)

12,243,471

5.44

550,099

16,911

536,442

16,491

0.60

5.63

2007(r)

12,975,985

5.98

577,869

17,596

563,349

17,154

1.80

6.47

第1四半期

2,963,661

4.45

138,589

4,209

132,899

4,036

0.98

7.10

第2四半期

3,128,827

5.70

138,282

4,175

134,109

4,049

0.26

7.13

第3四半期

3,366,484

7.08

146,825

4,460

145,457

4,418

1.46

4.21

第4四半期

3,517,013

6.51

154,173

4,752

150,884

4,651

4.49

7.51

2008(r)

13,070,904

0.73

565,846

17,941